離島で楽しみながら牛飼い

島根県知夫村 平澤 麻里子 さん

私がここで牛を飼ってみたいと思ったのは、赤ハゲ山で放牧している牛を見て感動したからです。

もともと畜産業に興味があったわけではありません。学生時代に趣味で始めた野菜作りに夢中になり、畑作の勉強をしてみたいと思い北海道へ研修に行きました。

ジャガイモやトウモロコシの栽培研修は4月から10月で終わり、11月から3月までは酪農の研修に行きました。その時に世話をした子牛のかわいさに魅せられ、畜産に興味を持ち、そのまま牧場で勤務することになりました。

その後、淡路島などで酪農ヘルパーを経た後、自分で独立して牛が飼える場所をインターネットで探し、知夫村のことを知りました。

「専用の餌箱で1頭ずつ給餌しています」と平澤さん

 県の定住財団が実施する産業体験の支援を受け、地元の畜産農家で1年間研修して、2019年に独立しました。北海道では朝3時からの作業で常に睡眠不足でしたが、放牧は労力が軽減されるので、すごく魅力的ですね。

 知夫に来てから家畜人工授精師の資格を取得し、自分で種付けを始め、経費節減のために牧草作りにも挑戦しています。重労働ですが、畜産業が好きなので楽しみながら作業しています。

 先日、リラックス効果を期待して、子牛にクラシック音楽を試験的に聞かせてみました。まだ効果は表れていませんが、今後も続けてみようと思います。

 今までは同業者の友人しかいませんでしたが、知夫に来てからは異業種のⅠターン仲間との交流も新鮮です。ここでの生活はとても快適で、北海道と淡路島から連れてきた猫3匹も満足しています。

▽繁殖和牛11頭、育成牛2頭

 

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