自作の脱穀機に運搬車装着
大田市 エゴマ生産グループ
エゴマを収穫する際、少しの振動でこぼれ落ちるロスを解消しようと、大田市祖式町の中村一義さん(72)ら有志5人のエゴマ生産グループ(エゴマ43㌃)が独自の脱穀機を製作した。
木材で自作した脱穀機に市販の運搬車を取り付け、それを圃場に入れて作業する。移動に伴う実の落下ロス、エゴマの搬出コストを削減するのが狙いだ。
枝をたたくこぎ胴は、板と棒を左右の円盤で挟んで固定したシンプルな形状。大きく開放した差し込み口は、エゴマの枝をひっかけることなくスムーズに差し込める。
はで干しで乾燥させたエゴマを降ろす役と、脱穀機を操作しながら脱穀する役の2人で作業が可能となり、悩みだった人員不足を解消することができた。
中村さんは「脱穀は数日前から晴天が続いた上に、仕事が休みの日に集まらなければならない。以前はメンバーが揃わずアルバイトを3人雇うことがあったが、今は1人募集すれば十分に作業できる」と省力化を喜ぶ。
設計と主要部分の加工・組立はメンバーの竹内則男さん(64)が担当。本業の大工で培った技術を生かし、こぎ胴の回転部分を支える部品の曲面加工など、コストを削減しつつ、最大限の性能を引き出した。
モーター駆動部分は電工関係の仕事に携わる菅森孝夫さん(67)が担当。「私たちが住む地域も、少子高齢化や過疎化の影響で遊休農地が増えている。個人の持つ力を持ち寄り、協力して取り組まなければ」と意気込む。