効率化と省エネを重視 付加価値高めた販売も
益田市 藤原 大厳さん(50)
「食料自給率の低さやコロナ禍で生活環境の変化したこともあり、IT関係の会社を辞めて就農することに決めました」と話すのは益田市美都町でイチゴ栽培の準備を進める藤原大巌(だいげん)さん(50)。昨年5月に東京から同町へIターンし、農業研修を受け、今年の冬から就農する予定だ。
「イチゴ栽培は、収穫後のパック詰めや病気対策に時間を取られることを研修で感じました。そこで、センサーを用いた水分や土壌管理、換気などの自動化で作業量を約40%削減することを目指します。また、ヒートポンプを使った加温で燃料費の低減にも取り組みます」と藤原さん。スマート農業を目指し、IT技術を導入したハウス(18㌃)の完成に向けて準備を進める。
研修先である同町の田中農園の田中克典さんは「この地域では、先進的な栽培取り組まれています。藤原さんは、作業効率や負担を減らす方法を今までに無い形で考えているので、これからも協力していきたいです」と期待する。
多品種をそろえたイチゴ狩りのほか、イチゴを冷凍保存し、夏場に「削りイチゴ」をキッチンカーで提供するなど、付加価値を高めた販売を目指す。農閑期にはジビエ(野生鳥獣肉)料理の販売を考えており、同市の補助を受けながら料理を検討中だ。
藤原さんは「楽しんで生きるということを見せればIターン者が増え、次の世代につなげられると思うので、頑張りたいですね」と笑顔で話す。