保険の必要性痛感 働き手確保に注力
農事組合法人みんわ営農組合
島根県出雲市 細木 範幸さん(73)
収入保険には制度ができた当初から加入をしています。今までの農業共済制度や経営安定対策などと比べ、幅広いリスクに対応できるため、加入を決めました。
近年の耕作面積の拡大に伴って売上が伸びていたことから、加入する必要性を感じない時期がありました。しかし、2021年7月に起きた豪雨災害で、農地や施設が冠水して大きな収入低下となりました。そのとき保険金を受け取ったことで赤字決算を回避することができ、収入保険の必要性を改めて感じました。
みんわ営農組合では、将来の働き手を確保するため、若手の雇用に力を入れています。現在の従業員は3人、一般出役45人で作物の栽培管理やヒマワリ祭りなどの地域貢献活動をしています。
12年1月に法人を設立して以来、地元以外の地域で栽培を始めたことなどで経営面積を2倍以上に拡大してきましたが、谷間ということもあり新たな農地の確保は難しくなってきました。今後は、耕作条件の良い農地に進出して、10㌶以上への拡大と売り上げ増加を目指していきたいと思っています。
組合では、肥料代を抑えるため、ヒマワリなどの緑肥やドローン(小型無人機)を使った適期の肥料散布などでコストの削減に努めています。
農業は自然条件に影響される産業で、野菜は病害虫の発生や価格変動が大きく、経営は不安定になりやすいです。面積拡大や働き手を確保するためにも、収入保険に加入して安定した農業経営をしていきたいですね。