料理人が作る町の惣菜・弁当店
出雲市「町の台所ゼロワン」
大田市の有限会社平和亭(田中伸哉代表取締役=52)は、10月1日、出雲市今市町に「町の台所ゼロワン」を開店。空き店舗を利用し、料理人が作る町の惣菜・弁当店としての第一歩をスタートさせた。
食材は可能な限り生産者から直接仕入れ、形が悪くて出荷できない野菜なども積極的に受け入れる。田中代表は「お客さまの声を生産者に伝えることで、作る喜びを感じてもらいたい。趣味で少し栽培する方にも提供いただければ、お互いうれしくなりますよね」と話す。
同店に米や野菜を提供する同市の伊藤眞美さんは「農家と直結し、地域に根差した存在として農産物の消費拡大を担ってほしい」と期待を寄せる。
店長の中村和貴さん(31)は、大阪の和食店で料理人としての経歴を持つ。「ダイコンの皮は酢の物に、だしで使用したカツオ節や昆布は、おかかやつくだ煮へと新たな料理として利用します。自然からいただいた大切な命(食材)は無駄にしません」と話す。
弁当は注文を受けてから作るため、事前に電話で予約するとスムーズに受け取ることができる。
「すべて手作りで、できたてを提供します。大アナゴなど大人気定番のほか、入荷する食材によりメニューが変わるので、毎回お楽しみいただけます」と中村店長。
同店オリジナルの玄氣米(げんきまい)は、玄米に黒大豆を混ぜて炊いた後、数日ほど保温、熟成させた自慢の逸品。熟成することでうま味が増し、健康にも非常に良いという。
田中代表は「食は命です。お客さまの『おいしい笑顔』をつくるために、私たちは笑顔でお待ちしています」と話す。