パプリカ 6次産業、産地化に挑戦
飯南町 中野良介さん・晴美さん
2012年に兵庫県から飯南町へIターンした中野良介さん(44)、晴美さん(48)夫妻は、「中野あおぞら農園」を立ち上げパプリカを栽培している。
元々はサラリーマンだった良介さん。田舎で農業をしたいという晴美さんの思いに共感し就農を決意した。移住先を飯南町に決めた理由は、広大な自然と支援が充実していたから。
現在はリースハウス10棟(28㌃)で赤と黄の色鮮やかなパプリカを栽培する。毎年春に定植し、7月中旬から10月下旬まで収穫。その生産量は年間約8㌧にものぼる。中野さんが育てるパプリカは肉厚で甘く、果汁が多いのが特徴。県内外に出荷され、特に国産のパプリカは流通量が少ないため販売は好調だ。
しかし、サラリーマン時代とは違い、農業は収入が安定しない。そんな不安を抱えていたとき、収入保険が始まることを聞き、説明会に参加した。
「パプリカは病気が一番心配です。それまでは補償してもらえる制度がなく、何かないかと考えていたので、収入保険に加入しました」
昨年は天候不順などにより小玉果が多く、収入が減少したため補てん金を受け取った。「手続き後、すぐに補てん金を受け取り助かりました。収入保険は経営努力だけでは避けられない収入減少なども補償の対象なので、大型農家や、これから規模拡大を考えている方にお勧めです」
6次産業化にも積極的に取り組む考えだ。今年5月にはパプリカドレッシングを開発し販売を始めると、製造した250本はすぐに完売した。来年は600本まで増やす計画だ。
中野さんは「生産量をさらに増やし、パプリカといえば飯南町といわれるような産地にしたい。そのためにも経営を守るための収入保険には継続して加入し、さまざまなリスクに備えたいです」と意欲的だ。
▽パプリカ・28㌃