ヤギ放牧で除草 癒し効果も
出雲市 富田 節雄さん
出雲市の矢尾環境保全組合(宮本修代表・構成員50戸)では、農地や農業用水などの農村環境を保全する管理の一環として、ヤギ放牧に取り組んでいる。
同組合では休耕田の草刈り作業の省力化を目的に、2017年に去勢のヤギ2頭と雌1頭を導入。ヤギを約2㍍の綱でくいにつないで雑草を食べさせると、1日で直径4㍍範囲の除草ができ、草の状況を見ながら毎日移動させる。管理を担当する富田節雄さん(70)は「雄は大きくなると攻撃的になるが、去勢してあるのでおとなしく扱いやすい。現在14㌃で放牧しているが、圃場全体を柵で囲うことでヤギの移動の手間を省き、規模拡大ができれば」と話す。
隣接地にはビオトープを意識した人工池の設置やコスモスなどを植栽し、景観形成にも力を入れる。「ヤギを見ていると癒される」と富田さん。ゆったりと草を食む姿が、道行く人たちをなごませている。同組合では、将来は除草が大変な地域にヤギを貸し出すことも構想中だ。