イノシシ被害ゼロを実現

飯南町 長谷営農組合

飯南町の長谷地区では、獣害対策として設置するワイヤーメッシュや電気牧柵の管理を営農組合が一括管理することで、イノシシ被害の低減に効果を上げている。定期的に専門家を招いての講習会や被害状況からマップの作成など、地域が一体となって獣害対策に取り組む。

標高400㍍の中山間地域に位置する同地区は、全戸が長谷営農組合(三原重人代表、組合員36人、水稲他25㌶)に加入している。2008年ごろからイノシシによる水田への被害が発生し始め、15年には水稲共済金支払いベースで125万円にまで被害が拡大したことで、今まで個人で行ってきた対策を見直す契機となった。

まず行ったのは、電気牧柵の適切な設置方法や電圧の正しい知識の共有だ。外部から鳥獣害対策専門指導員を招いて座学や実地研修を行い、農家ごとに異なっていた電気柵の高さや電圧の設定を統一。定期的に電気柵の抜き打ち点検を実施し、電圧が低い場合は組合員へ指導を行う。

「研修を重ねていくなかで組合員に集落を守るという一体感が生まれた」と話すのは同組合の和田幹雄さん(71)。獣害による被害箇所を地図に落とし込み「被害状況マップ」を作成。その年の被害状況が一目で分かるマップは、集会所など目につく場所に張り出し組合員間の情報共有に役立てている。また、水稲収穫後には被害マップをもとに対策の効果検証し、翌年の改善に繋げている。和田さんは「被害状況マップを見て、被害が減っていることを確認するとやる気が高まります」と笑う。

取り組みを続けた結果、16年と17年に獣害による被害ゼロを達成した。地域ぐるみの獣害対策の先進事例として県内外から視察が訪れるようになり、18年には中四国地域鳥獣害対策優良活動表彰を受賞した。県東部農林振興センター雲南事務所の田川哲技師は「長谷営農組合が獣害対策の手本となり、近隣の営農組合と連携して獣害対策の輪をどんどん広げていってもらいたいですね」と期待を込める。

今後は、周辺の営農組織と共同で研修会を開くなど広域連携を進めていく計画だ。

「地域ぐるみで行動することが大切」と三原代表(左)と和田さん