完全予約制で品質キープ

浜田市 (株)ベリーネ

浜田市金城町の株式会社ベリーネ(能美真也代表取締役社長=59歳、従業員16名)では、品質の高いイチゴを安定して提供するため、予約制のイチゴ狩り観光農園を運営している。

4棟あるイチゴハウスでは、ローテーションを組んでイチゴ狩りを実施し、ハウスを休ませることで生育を促進して、常に大振りで高品位なイチゴ狩りを提供している。

同社が運営する観光農園「きんた農園ベリーネ」では4棟50㌃のハウスで、「紅ほっぺ」や「さちのか」など5種類のイチゴの品種約2万4600本を栽培している。開園は12月下旬から5月末までで、昨年は県内外から1万5千人の来園があったという。

「良い商品とサービスを提供し、お客さんに喜んでもらえることが励みです」と話す能美代表は、来園者がいかに楽しめるかに重点を置く。小さい子供には大きいイチゴの模型を使うことで上手に摘み取る方法をわかりやすく伝えるなど教え方に工夫を凝らす。来園者とコミュニケーションを取りながら、イチゴ狩りが初めての人でも十分満足できる商品とサービスの提供など、世代を問わず満足してもらえる観光農園へ日々知恵を絞る。

従業員が摘み取り方を分かりやすく説明する

「イチゴの花の開花が遅く、例年より少し収穫が遅れたが、平年より出来がいい」と今年の出来栄えに自信を見せる能美代表。長年続けてきた顧客目線の取り組みが好評を得る一方、メディアを通じて幅広くPR活動を展開することで地元だけでなく県外からのリピーターも多い。

同園では地域貢献活動の一環で、毎年、近隣の四つの保育園の園児を招待して摘み取り体験を実施している。波佐保育園の白川直美園長は「摘み取り体験は、とても良い経験となります。農業体験ができる施設が近くにあるのはいいですね」と笑顔で話す。

摘み取り体験を楽しむ園児たち

イチゴ以外にも、65㌃のハウスで「ピオーネ」と「シャインマスカット」のブドウ2品種を作付している。ピオーネは8月下旬から10月上旬まで摘み取り体験ができる。2年後には、ブルーベリーの摘み取り体験も計画中だ。「この事業で地域を盛り上げて、雇用の創出にもつなげたい」と能美代表は話す。

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