ブランド米の品質維持へ日々研さん

津和野町 米原 孝男さん

「今年も作業受託面積が30㌃程度増える予定です。集落を支えるためにも水田の維持は重要」と話すのは津和野町で水稲3㌶とハウス2棟でメロンや野菜を栽培する米原孝男さん(66)。

米原さんは集落の農地維持に力を入れる一方で、津和野町水稲生産部会の副部会長として特別栽培米「西いわみヘルシー元気米」の普及に力を入れ、夏には特産のアムスメロン、秋から冬にかけてはコマツナなどの葉物野菜を出荷する周年栽培を行っている。

西いわみヘルシー元気米は、たい肥などの有機肥料を10㌃あたり2㌧程度使用し化学肥料や農薬も通常の半分以下に抑えたブランド米。島根県知事の認定を受けたエコファーマーが栽培する、島根県エコロジー農産物として台湾への輸出も行う。

きれいな水と昼夜の寒暖差がおいしいお米を作る土壌となる。

「農家ごとに異なる栽培方法を統一するため、毎年の作柄などをみんなで検討しています」と米原さん。生産部会とは別にヘルシー元気米生産部会を設立し、かん水のタイミングや刈取り時期など農家全体で栽培方法を統一することで品質の均一化を図る。

JAしまね西いわみ地区本部津和野経済センターの永戸秀一センター長は「米原さんの水稲栽培技術は評判で、いつも良質な米を出荷しています。水稲栽培を通した食育活動も行い、地域の支えになっています」と評価する。

ただ、米原さんが気がかりなのは急激な気温上昇や自然災害の多発など気候変動が農業に与える影響だ。年間の農業収入で見ると、冬季に栽培している葉物野菜の出荷価格は年ごとの天候具合で大きく変動する。アムスメロンも天候の影響で、玉太りや糖度など出荷基準を満たせないリスクを抱える。

そこで考えたのが、自然災害による収量減少に加え、販売価格の低下による収入減少を補償する収入保険への加入だ。「水稲だけでなく、すべての農産物が対象となることが魅力でした」。各地で開催された説明会へは何度も足を運び理解を深めたという。

また、収入の算定が青色申告決算書によることも損害評価の透明性から安心感があると感じている。

米原さんは「農業経営に補償は必要。今後もブランド米を中心に生産コスト低減や技術力向上へチャレンジしていきたい」と話す。

「地域の声に耳を傾けていきたい」と米原さん

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