耕作放棄地を、有機で減らせ


邑智郡美郷町 烏田 裕一さん

「有機農業で、地元が活性化できれば」と話すのは、邑智郡美郷町の烏田裕一さん(36)。耕作放棄地を利用した有機による野菜栽培を行う一方で、地元住民向けの有機栽培講座の開講や、食育を目的とした子供への農業体験の実施など地域交流活動に力を注いでいる。

 地域に根差した活動が、耕作放棄地対策へのヒントとなるのか期待が集まる。

 26歳から本格的に農業を始めた烏田さんは、経験を積む中で、農薬や肥料を多く使った栽培方法に疑問を持った。そこで、安全で環境にやさしい野菜作りができないかと、県内外の研修会や独学での勉強を重ね、8年前より耕作放棄地で有機野菜栽培を始めた。

 「有機栽培なので、初期生育や雑草、虫対策に特に気を付けています。雑草はある程度大きくして、枯草菌を混ぜて堆肥としてすき込むなど手間を減らす工夫もしています」と烏田さん。

 現在、1.5㌶の畑でアスパラガス、ミニトマト、ジャガイモなど多品目を栽培し、地元の産直市やスーパーへ出荷している。

 勉強熱心な烏田さんは、空いた時間に図書館で野菜に関する書物に目を通す。また、有機農業の勉強会にも積極的に参加し、時には仕入メーカーまで話を聞きに行くなど研究を欠かさない。

今年から栽培しているインゲンを収穫をする烏田さん

 そうして学んできたことを、春から秋にかけて月1回、年間で6回程度、地元公民館で家庭菜園の有機農業者を対象に有機野菜の栽培講座を開いている。栽培方法や、肥料の種類など説明が分かりやすいと参加者から好評だ。

 今年5月には、JA青年部の活動の一環で、自身の圃場で保育園の子供たちとジャガイモ堀り体験や、保育園と小学校合同でサツマイモ、白ネギを栽培するなど地域交流活動も行った。

 ジャガイモ掘り体験に参加した、おおち保育園ひまわり組の山岡宥斗くん(5)は「大きなジャガイモがたくさんとれて面白かった、またやりたい」と笑顔で話す。

 烏田さんは「子どもたちが一生懸命収穫して、おいしそうに食べる姿を見ると活動の励みになります」と嬉しそうに話す。「一連の取り組みを、耕作放棄地を活用した、有機農業を実践していく一つのモデルとして参考にしてほしい」と話す烏田さんは、新規就農者が耕作放棄地を有機農業で活用していくことで、地域の活性化につながってほしいと期待を込める。

有機野菜の栽培講座で講義をする烏田さん