アライグマ探索犬 チビくん出動!

益田市 地域自治組織「二条里づくりの会」

 近年、急速に生息分布を広げている「アライグマ」。その対策に取り組む、益田市の地域自治組織「二条里づくりの会」(品川勝典会長)では、島根県中山間地域研究センターと協力して、アライグマ探索犬「チビ」くん(3歳・紀州犬)を2年間育成し、昨年から有害獣の駆除に動員している。有害獣対策の切り札となるのか注目が集まる。

 アライグマは、農作物への被害だけでなく、空き家や神社などの天井に住み着き、生活環境にまで被害が及ぶことから、その捕獲が急務となっていた。

 「この地区に潜んでいるアライグマは、春先は空き家にいて、夏になると外に出てくる」と話すのは同会『くらし部会鳥獣被害防除隊』の竹田尚則さん(53)。

 同会では2016年から、地域住民から寄せられた有害獣被害の申告や目撃情報などのデータを地図アプリに入力した「二条地区鳥獣マップ」を作成していて、地区内でのアライグマの活動範囲を把握している。

 しかし、アライグマは学習能力が高く、住民からの要請で設置した単独の箱わなだけでは捕獲が難しくなってきた。

 そのため、島根県中山間地域研究センター鳥獣対策科と協力して、竹田さんが飼っていた生後間もない猟犬のチビくんをアライグマの痕跡を探す能力を持つアライグマ探索犬として一から訓練、育成することにした。

 チビくんは、警察犬の訓練士から匂いの探索など、基本行動の所作を2年間訓練して、アライグマの痕跡を探す能力を習得。チビくんの活躍により2017年からは、アライグマの活動場所の特定が可能になり、生息区域にピンポイントで箱わなを設置することができるようになった。

 竹田さんは「探索犬の導入によって罠の設置が『この辺り』から『ここ』へ変わった」と成果に胸を張る。

 島根県西部農林振興センター益田事務所林業普及第二課の石橋悠樹主任技師(26)は「効果的な捕獲のために新しい技術の開発が不可欠。アライグマの被害軽減のため、地域の取り組みを支援していきたい」と話す。

 竹田さんは、今後、この取り組みがうまく機能すれば、探索犬の増頭も検討している。(有福)

「ヌートリアなど、他の生物の探索にも活用できれば」と竹田さん