ICT技術で品質向上へ

- 益田市 島根県農協益田メロン部会-

 島根県農協益田メロン部会(松本哲夫部会長=54歳、会員69名)は、情報通信技術(ICT)を使ったビニールハウス内外の温度や湿度などのデータ収集ができる圃場モニタリングシステム「みどりクラウド」を導入した。
 このシステムでは、画像、温度、湿度、地温、土壌水分、日射量などメロン栽培に必要なデータが収集でき、生産管理の分析や検証ができるようになる。また、温度などの情報やハウス内の画像はパソコンやスマートフォンでいつでも閲覧が可能だ。

ハウス内に設置した「みどりクラウド」

ハウス内に設置した「みどりクラウド」


 県内で最大のメロン産地である益田市では、1999年に年間約650tのアムスメロンの出荷量があったが、近年は農家の高齢化による廃業や異常気象の影響による生産の落ち込みなどにより、2017年には出荷が400tまで減少。「メロン生産者に若い世代もいますが、全体の農家数は減っています」と松本部会長は危機感を抱いていた。
 生産者が減少するなかで、高い生産性と効率的な作業で、コストの低減と高収益を実現するためにどうすべきか。県やJAと検討を進めた結果、今年3月からみどりクラウドの設置を始めた。
 生産者の渋谷記幸さん(62)は「ハウス内の状況が簡単に確認できて便利です。作業の省力化になれば」と話す。
 松本部会長は「さまざまな情報が集まることで、メロンの安定生産と品質向上に繋がればいいですね」と期待を寄せる。(有福)

画像と蓄積データを随時閲覧できる

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