繁殖状況をデータベース化 子牛の安定生産へ期待

大田市 温泉津町和牛改良組合

温泉津町和牛改良組合(森徳行組合長=69歳 組合員12戸)では、組合員の繁殖牛のAI(人工授精)やET(受精卵移植)の繁殖情報を一元管理し、JA、島根県西部農林振興センター、NOSAIに情報提供するシステムを構築している。空胎期間の管理や子牛の防疫など、各関係機関からの指導に役立てることで、改良組合全体の生産体制の強化を目指している。

同組合では、2017年10月にタブレット端末と連携した繁殖管理システムを導入し、人工授精師3名のAIやETの情報管理を開始した。農家14戸、繁殖母牛約110頭のデータベースを取りまとめる人工授精師の厚朴(ほうのき)邦広さん(59歳)は「農家や人工授精師同士での情報共有が簡単にでき、人工授精の効率が上がった」と話す。

JAしまね石見銀山地区本部では、管内の和牛農家に毎月1回、子牛の生育状況の確認と出荷に向けた育成指導を行っているが、同センターの普及員とJA畜産アドバイザーでもある厚朴さんが毎回同行して、繁殖管理情報を元にした繁殖母牛の受胎状況の確認を行う。巡回後、組合員の受胎状況を取りまとめ、組合に報告することでデータベースに登録される。この情報は、島根県西部農林振興センターの普及員やNOSAIへも提供される。NOSAIは巡回ごとの受胎状況を組合から報告を受け、下痢防止ワクチン接種の時期を計算。次回の巡回時に、ワクチン接種の適期を迎えた母牛を組合に連絡する。

森組合長は「定期的な巡回で適期に必要な指導をしてもらえるので、組合員の意識も高まり、子牛の事故率も軽減したと感じる」と効果を実感する。

農家は、人工授精師や関係機関と牛の状況を共有することで効率よく人工授精を依頼することができ、子牛の巡回指導でも和牛繁殖についての全般的な情報提供を受けやすくなる。このような繁殖管理情報を関係機関に提供する体制は、市内では同組合だけが行う試験的な試み。

厚朴さんは「子牛の市場価格が高騰し高止まりしている現在は、安定的な繁殖に向けて取り組むチャンス」と話し、経営難による離農が減り、後継者が魅力を感じる子牛生産体制の構築に向け、システムを活用した連携に期待を寄せる。

巡回指導の様子。項目ごとに聞き取りを行う。

 

 

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