イチゴと観光 ガイドが縁結び 

安来市 安来市観光協会

県内最大のイチゴ産地である安来市では、イチゴ狩りと観光客の誘致を組み合わせた取り組みを始めた。市内四つの農園が、新たにイチゴ狩りを始めたのを契機に農家と安来市観光協会で「やすぎの苺狩りガイド」を作成。市内の観光名所とイチゴ農園が一目でわかる地図を掲載したガイドで、県内外に広くPR活動を展開し、産地では認知度のアップと来園者の増加に期待が膨らむ。

同市で栽培されるイチゴは、味を重視し早摘みをせず一番甘い状態で消費者に届けるため、鮮度の関係で遠方の市場へ出回ることが少なく、県外の消費者が安来産のイチゴを楽しめる機会は少ない。2018年まではイチゴ狩りのできる農園も1農園のみで、すべての来園者を受け入れることが困難な状況が続いていた。

そんな中、「完熟イチゴを多くの観光客に味わってほしい」と4戸のイチゴ農家が観光農園へ本格参入。この参入を観光客の取り込みに生かしたいと考えた観光協会と、来園者を集客するための宣伝手段に悩んでいた農家側の思惑が一致してガイド作成プロジェクトが始動した。

やすぎの苺狩りガイドには、5戸の農園の地図や料金などの詳細が詳しく掲載され、安来市内の観光名所をわかりやすくマップ形式で紹介している。ガイドに表示されたQRコードからは同協会のホームページにアクセスができ、ガイドひとつでイチゴ狩りと観光の両方を楽しめるよう工夫されている。1月18日からイチゴ狩りを始めた渡辺観光農園では、さっそくガイドによる効果を実感。園主の渡辺迪彦さん(37)、裕衣さん(37)夫妻は「問い合わせも増え、農園のPRに役立っています。お客さまに他の農園を紹介することもでき、農家間の連携にも繋がる」と評価する。

ガイドは県内外の観光施設等で入手できる。

家族でイチゴ狩りに訪れていた米子市の伊藤朗さん(48)は「ガイドを見ることで観光情報がひと目でわかる。安来を身近に感じることができました」と話し、観光客からも好評だ。2月15日には、安来市観光交流プラザでイチゴ農家による対面販売も計画している。「くだもの狩りを楽しみ、その足で安来市内の観光も楽しんでもらいたい。観光と農業が手を携えながら発展できれば良いですね」と話す同協会の作野宏美さん(35)。イチゴ狩りと観光を縁結びすることで、農業と観光の相乗効果に期待が高まっている。