どじょう米生産に弾み

島根県安来市 農事組合法人ファーム宇賀荘

岡田代表理事(左)と従業員の古志野達樹さん

安来市宇賀荘地区にある農事組合法人ファーム宇賀荘(岡田一夫代表理事=74歳・組合員249人)では、水稲117㌶、大豆75㌶を栽培し、法人設立当初から環境にやさしい農法に積極的に取り組む。水稲は、ドジョウを放流し、化学農薬と化学肥料を使わない「どじょう米」を栽培、本年度の出荷時期までに有機JAS認証取得を目指す。

大豆栽培では、農薬の使用を減らし化学肥料は使わず、環境への負荷軽減の取り組みでエコファーマーの認証を取得。「やすぎのエコ大豆」を生産し、豆腐やみそなどの加工を通して地産地消を進めている。

どじょう米の有機JAS認証取得は以前から目指していたが、乾燥調製が外部委託で、ほかの米と混ざるため認証は取得できなかった。

今年の春、同法人の念願だった有機JAS認証に適した乾燥調製施設が、県の補助を受け、完成。以前に認証を取得できなかった際、課題となっていた乾燥や選別などの工程で、機械と配管の中に残った米や異物を吹き飛ばし、混ざらない設備を整えた。

新設された乾燥調製施設

施設は、鉄骨平屋で400平方㍍あり、乾燥機は4基で、最大40㌧の玄米を貯蔵できる。施設の容量に余裕があるため、有機JAS認証取得の意向がある地域の生産者からの受け入れを検討しているという。

岡田代表理事は「6月下旬から7月上旬に審査員の実地検査を受け、出荷時期までには認証される見込みです。認証取得後は、有機JAS米の規模拡大を目指していきたいですね」と話す。

現在、有機JAS米として「きぬむすめ」「ヒノヒカリ」の2品種を10㌶栽培しているが、今後は農薬・化学肥料を慣行の5割減にする特別栽培米を、有機JAS米に順次変更し、将来は栽培面積を25㌶まで拡大する予定だという。

岡田代表理事は「長年の念願だった認証取得が実現できる。この施設が有機JAS米の生産出荷の拠点となり、地域の有機農業の普及につながれば」と話している。

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