繁忙期の農場へ職員派遣

津和野町特定地域づくり事業協同組合

「お互いが補完しあえる良い関係をさらに広げたい」と古橋さん

津和野町では、繁忙期に人材が必要な農業従事者などへ職員を派遣する「津和野町特定地域づくり事業協同組合」を設立した。さまざまな業種から人材不足の声を把握していた同町では、解消の一手として、酒類製造業、農業を行う発起人を委員とした同組合の準備委員会を2020年に設立。協議を重ね、創立総会や県の認可を経て、今年5月に派遣事業を開始した。お互いを補う活動が地域振興を広げる良い循環となるか期待される。

 

初年度となる今年は、組合員としての利用希望が町内で14事業者(うち農業従事者は12)あった。一方、職員は20代のIターン者など4人を採用した。

「職員にはいろいろな業種に出向いて経験を積んでほしい」と話すのは、古橋酒造代表取締役の古橋貴正(55)さん。同組合の代表理事を務める

派遣スケジュールは組合員の要望を元に、職員ごとに作成する。同じ所で働くこともあれば、毎日違う場合もある仕組みだ。

「農作業は健康的で楽しい。これからも津和野町でがんばります」と小林さん

職員の小林愛真美(あまみ)さん(26)は「今は2人の組合員の所へ出向いています。農業の楽しさや作業の違いが学べて、やりがいのある毎日です」と話す。

農家で組合員の永田寿秋さん(54)は「この事業を利用することによって繁忙期に従業員が増やせて、合理的で経営的にも助かる」と話す。

組合員は利用料金を同組合に支払うだけで、雇用主として必要な社会保険などの手続きが無くなる利点もある。

津和野町つわの暮らし推進課の佐伯晃主任主事は「事業協同組合が地域事業所の人材不足を解消すると同時に、マルチワークという新たな働き方を進めて欲しい」と期待を寄せる。

古橋さんは今後の目標として「職員のスキルアップ体制の構築と、利用組合員を増やすことが安定的な雇用・定住を生み、町にとっても良いことになる」と話す。

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