そばの町の歴史をつくろう

邑南そば街道推進協議会

「自宅でも営業許可を得てそば打ち体験ができます」と神田会長

「邑南町に来るとあちこちでおいしいそば屋がある」というビジョンを描くのは、邑南町の邑南そば街道推進協議会(神田恵介会長=77歳、構成員13人)。ソバの生産地としての確立、そば職人の育成、全国へ向けてのPR、地域振興の4つをコンセプトに2018年3月に設立され、5年から10年の長期的な活動に取り組む。

協議会では活動の柱となるソバの生産地の確立に向け、在来種の生産拡大を目指す。

同町には現在、「三瓶在来種」「出雲の舞」「東屋在来種」の3種類があり、これらには風味を構成する香り、うま味の成分の基となるタンパク質や脂質が多く含まれている。さらに十割そばが打ちやすい粉に製粉できることから人気が高い。

その中でも昔から地域にある東屋在来種を原種として保存し、栽培面積を徐々に増やしたいとしている。

ソバを栽培する事務局の伊達一樹さん(67)は「信頼されるソバを作りたい。そして自分が作ったそばを食べることが一番の楽しみ」と話す。ソバの生産者を増やすため、技術研修会の企画するほか機械を貸し出す予定だ。

 また、腕利きのそば職人を育成するため、そば道場を開設。店舗開業に向けて調理や給仕サービスの研修など、実践的な研修プログラムを取り入れる。

指導をするのはそば道場代表で「千蓼庵 (せんりょうあん)」店主の岩谷克司さん(62)。「邑南町にはもともと素晴らしいソバがある。それを生かすのはそば職人なので、丁寧な指導を心掛けている」と話す。

熱心に研修を受けるそば道場の研修生

今後は全国へPRするため、邑南そば街道のブランドマークづくり、邑南町産ソバの自主品質基準の策定や品質表示制度などを検討し、ブランド価値の向上を図る。

さらに、ホームページの開設やSNS(会員制交流サイト)を利用した情報発信をする計画だ。神田会長は「一時的なブームではなく、コツコツと歴史をつくり、長い期間ではやってほしい」と話す。

地域振興の一環として、そば街道でのそば祭りなどのイベントを計画。また、ソバの生産地の拡大で耕作放棄地を減らすことにも期待を寄せる。

神田会長は「そば街道は夢です。邑南町にはソバの作付けに適した気候や地形があります。そば屋はまだ少ないが、これからもソバの作付けを増やし、そば職人を育て、店を増やして地域振興に寄与したい」と意欲的に話す。