多彩な商品 地域に恩返し

出雲市 南 浩二さん

「ショウガは自家製の発酵肥料のみを使って栽培しているので安全・安心です」と南さん

出雲市の南浩二さん(38)は7年前に公務員を退職し、同市斐川町でショウガ栽培を始めた。2014年には株式会社「出雲生姜屋」を設立。両親と妻の家族4人で、独自ブランド「出雲生姜」を生産する。また、加工品にも力を入れ、同町の神社と連携した「じんじゃエール」を販売するなど、出雲地域のPRに積極的に取り組む。

隠岐郡西ノ島町出身の南さんは、さまざまな人と出会う中で「地方に住みたいと考える若者や子供たちのためにも、日本の農業を立て直したい」と強く思うようになった。そして、農家の後継者を増やすには、新規就農者の経営安定を支援する仕組みを整えるのが重要と考え、自分自身が就農することを決意した。

「実際に自分が経験することで、農家目線に立ち、どのような悩みがあり、どのような支援を必要としているのかを肌で感じることができました」

現在、出雲生姜を約30㌃で農薬を使わず栽培。さらに、地域の農家や福祉施設と連携し、約30㌃を委託栽培する。委託先には栽培方法を伝え、種ショウガを無償で提供。生産されたショウガを全量買い取ることで同社の年間生産量は約10トンに及ぶ。

「ショウガは病虫害に弱く同じ耕地で連作することができません。そのため病気が拡散しないよう圃場を分散させ、安定した生産を目指しています」

出雲生姜の特徴は、辛味成分であるジンゲロールがほかのショウガよりも多く含まれているため、血行を良くし、冷えを改善する効果が大きいという。南さんは「出雲生姜を多くの方に食べていただき、健康になってもらいたい」と話す。

神社と連携、直売所も

じんじゃエールは神社と連携して開発

同社の商品は出雲大社や空港、駅など観光客が集まる場所で販売するほか、飲食店などへ自ら出向き店舗に置いてもらうように交渉している。販路拡大のための努力は惜しまない。現在販売する商品は25種類あり、中でも同町の万九千神社と連携して開発した「じんじゃエール」は人気商品となっている。4月には、神社に訪れた人にスムーズに商品を提供するため直売所をオープンした。

南さんは「ショウガの生産を通じて、島根県の観光客の増加につながればうれしい。私が就農した時、多くの方々からのサポートにより自立することができたので、地域に恩返しできるよう頑張っていきたい」と思いをめぐらせる。