スマート農業の実証始まる

出雲市 グリーンサポート斐川

JAしまね斐川地区本部は、農林水産省「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」に県内で唯一採択された。このプロジェクトは、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの最新技術を農業分野へ投入し、自動化による労働コストの削減とデータ集積による技術の継承を目指している。

出雲市斐川町は担い手農家への農地集積率80%(中国・四国平均27%)を誇る県内屈指の農業地帯で、水稲や大麦、ハトムギなどの栽培が盛んだ。しかしほとんどの農地は集積され、これ以上の面積拡大が望めない中、さらなる所得確保への方策が検討されていた。今回の実証では、水田園芸作物による耕地利用率の向上と収益の確保、データ蓄積による後継者への技術継承に重点を置く。実証品目は水稲、大麦、ハトムギ、タマネギ、キャベツで、それらの品目に先進的に取り組む農業者を実証農業者とし指名した。

その中の一つ有限会社グリーンサポート斐川(勝部隆司取締役)では、以前から農作業の記録を保存・活用するソフト「アグリノート」を活用した作業内容の管理のほか、温湿度などを測る水田センサーなどの設置を積極的に行ってきた。2年前からはトラクターの自動操舵による乾田直播(20㌶)を行っているが、実証では最新の高速播種機と自動操舵を組み合わせ、作業時間の短縮と浮いた時間を園芸作物へ振り分けていく計画だ。

勝部取締役は「自動化でコストや時間が削減でき、他の作物へも労力が向けれる」と所得の向上に期待する。さらに、今までの栽培履歴をデータベース化することで、自らの経験と技術を若い世代が活用できるようにと、アグリノートを通じて日々の栽培データを入力する。同JAの玉木勝義次長は「多くの生産者に、実証プロジェクトを通じてスマート農業を見て体験してもらい、個々の経営に活かせるものがあれば取り入れてもらえれば」と話す。今後、スマート農業がどのような展開を見せるか注目されている。

「作業のスピードアップを期待している」と勝部取締役