米の販路拡大、IT企業と連携も

仁多郡奥出雲町 追谷農事実行組合

 仁多米のインターネットによる独自販売と、たたら製鉄が生み出した棚田の景観をライトアップして集客に繋げる試みを行う奥出雲町追谷地区。

 全国的に知名度の高い仁多米を、独自のルートで有利販売することで農家所得の向上と、人を呼び込む仕掛けを住民同士が結束して実行するなど、中山間地域の元気を広く発信している。

 

 地区の住民で構成する追谷農事実行組合(卜蔵秀夫組合長=65歳 15戸)では、コシヒカリを中心に12㌶で水稲を栽培し、耕作は個人ごとに行うが、乾燥から調整までの作業は共同で行う。

 組合がインターネットでの販売を始めたきっかけは、IT企業との出会いだったと卜蔵組合長は話す。

「楽しさを一番に、いろいろな方向性を考えていきたい」と卜蔵組合長(左)と加納事務局長(中央)

 「ここに視察に訪れたIT企業の代表に、農家の熱意を伝えたのが始まりです。私たちのやる気に企業側も賛同してもらえ、インターネットでの米の販売が実現しました」と卜蔵組合長。

 企業の全面協力のもと「源流仁多米こしひかり」の商品名で販売し、年間出荷量で6.5㌧の出荷を行っている。リピーターも徐々に増え、消費者からの認知度も上がってきたという。

 ただし、問題点も見えてきた。それは、味の違いだ。個々の農家が水田を管理しているので、施肥量の違いから食味にばらつきがあることが分かった。そこで、今年から肥料設計を全体で統一するため、試験田を使った施肥量の検討を始めた。

 同組合の加納信夫事務局長は「米・食味分析鑑定コンクールで金賞を取ることが目標。食味の向上を目指します」と意欲を見せる。

 米の販売だけでなく、棚田の景観を観光面で活用する同組合では、棚田の周りを6,000本のLEDライトでライトアップ。春と秋に行うイベントには、棚田を照らす幻想的な灯火を見るため、県内外から年間2,000人の観光客が訪れる。

幻想的な灯りが、棚田を照らす

 この企画に協力する、たたRart実行委員会の田辺俊成委員長は「都市との交流人口を増やすことが大切です。棚田のライトアップで、この地域の良さを広くPRしていきたい」と、今年10月13日の開催に向けて様々な催しを計画中だ。

 「将来は、農業体験の提供や民宿など、人の交流を活発にしていきたい」と卜蔵組合長は笑う。