『つわの栗』で地域おこし

- 津和野町 津和野町栗再生プロジェクト推進協議会- 

 県内有数のクリ産地である鹿足郡津和野町では、生産者の高齢化で落ち込んだクリの生産を復活させようと「津和野町栗再生プロジェクト推進協議会(代表・桑原慶吉)」による地域ぐるみの活動を行う。
生産者へ向けたサポート事業、商品開発やプロモーション事業、学校教育との連携など多様取り組みにより、新規就農者の増加など徐々に効果を上げている。
特産品であるはずのクリ栽培の消滅が迫っている現状が浮き彫りになり、とても驚きました」と話すのは同協議会事務局で地域おこし協力隊の新土貴子さん(しんど たかこ)(28)。
ピーク時は年間100㌧の生産量を誇った津和野のクリも、近年は生産者の高齢化や傾斜地での作業の厳しさなどから2014年には13㌧まで減少。また、ほとんどが県外に出荷されることから、秋の収穫期でも町内に出回るものは少ない。

「子どもたちには、クリを通じて地元の郷土愛を育むことに繋がれば嬉しい。」と授業を行う新土さん

このような状況を改善するため、2015年に町、栗生産部会、JA、商工会、観光協会などで構成する「津和野町栗再生プロジェクト推進協議会」を立ち上げた。新規就農者や農業法人向けに園地の紹介、苗木代の一部助成、新しい栽培管理法の導入など構成団体が協力して生産振興を進める。
生産者で同協議会長の桑原慶吉さん(75)は「周りでも新しく始める人がいます。その刺激があったかもしれませんが、既存の生産者も生産に前向きになった人もいますね」と好循環に手応えを感じている。これまでに新規就農者は10名程度、面積では3㌶増加と着実に栽培規模が拡大している。
収穫期には「栗まつり」を開催。積極的なPRを通じて「つわの栗」としてブランド化も視野に入れる。
西部農林振興センター農業普及部鹿足地域振興課の高橋洋靖専門農業普及員(42)は「地域自らが奮起した大変心強い取り組みです。今回、新植した3㌶の園地が順調に成園化すれば7㌧程度の収穫が見込まれます」と期待している。
同推進協議会では2017年から、地元の小学生を対象としたクリの授業や苗木植え体験など課外授業も実施する。
新土さんは「クリを通じて住民が地元の宝物に気が付き、将来にも守り育てていく活動の手助けができれば」と話す。(有福)

生産者と苗木を植える体験学習